・・・冒険日記 in モンスター・アロケーション・センター・・・

◆Date and Titles◆ (クリックでその日のテキストにジャンプ出来ます)

01) 2005/09/04 - アロケーション・センター前
02) 2005/09/05 - 戦闘開始!
03) 2005/09/06 - 燃え盛る業火
04) 2005/09/09 - Flash Flail, and Rage Samurai
05) 2005/09/12 - VS レベル7メイジとハイニンジャ
06) 2005/09/13 - 優しい光
07) 2005/09/16 - 貴方の為に、私は祈る

■ プレイ後記・後書

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/04−−−−−−−−−−

     がしゃん!

硝子の割れるような音がしたかと思うと、一行の姿は闇に呑まれた。

「なッ、何ぃーーーッ!? 真っ暗になっちゃったよぉーーー!!!」
「落ち着けよ芳姉ッ。きっと、魁がランプでも落としたんだろ」
「げッ、なんで分かったんだちぃ兄!?」
「それはともかくだ、みんな動くな。ブロックから出ると、探すのが大変だからな」
「尤もだ。みんな、足を停めたまえ」

暗闇の中でどたばたと忙しない足音。
女の悲鳴に近い高い声が、一行の不安を煽っている。

「翼、すぐに灯り点けるから、芳香ちゃんをお願いね」
「分かった」

慌てること無く、落ち着いた女声。
それに鋭く答える、若い男。
一息置いて、きぃんと頭に響くような韻律の呪文の詠唱が、辺りを満たす。
と同時に、一行の中央から、淡い光が溢れ出して・・・

「ラーザンメ・ミームイラー・ウォウアリフ (恒光よ、輝きを増して、我の往く先の闇を退けよ)」

閃光が弾けた。
煌めく粒が、互いの顔をゆっくりと照らし出す。

・・・刹。

「きゃああぁぁぁっ、ど、何処触ってんのよッ!!!」

先刻の冷静沈着な女−麗の甲高い悲鳴が谺した。
“エンカウンターか!?”と思った一行が、ギョッとしながら振り向くと。

「何もそんなに怒鳴らなくても。
 暗闇の中で逸れないようにキミの腕を掴もうとして、ちょっと間違っただけじゃないか」
「ひ、人の胸触っておいて、何が“ちょっと”ですかぁッ!!!」

前列を歩いていた筈の君主(ロード)・ヒカルを、麗が睨み付けていたところだった。
フーッと猫の如く威嚇する麗に肩を竦めながら、ヒカルは兜に抑えられ気味の前髪をサラリと流して。
素早く麗の顎に指を添えると、目を細めて微笑んだ。

「怒ると、可愛い顔が台無しだよ、麗」
「・・・・・・・・・ッ、こンの破廉恥君主〜〜〜〜〜ッッ!!!」
「おい、やめろ麗ッ、こんなところでイザコザ起こしてる場合じゃないだろう!」

平手を翳そうとした麗を、ヒカルと同じく前衛の忍者・蒔人が羽交い絞めにして抑えつける。
ヒカルは、殴られる前にちゃっかりと身を引いている。
これまた前衛の侍・魁、後衛の盗賊(シーフ)・芳香は、麗の剣幕におろおろするしかなく。
最後の後衛の司教(ビショップ)・翼は、また始まった、と言わんばかりに、ふうと溜息を吐いてみせた。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/05−−−−−−−−−−

エレベータから数ブロック北へ歩き、警報が唸るエンカウント地帯にて悪魔の彫像ガーゴイルとの戦闘を終え、
パーティは一路、東へ3ブロック、歩を進ませた。

「んん?」

魁が兜の面頬を上げながら、重々しい鉄の扉を凝視する。
煤に塗れたプレートには、すっかり擦れた文字で、こう彫られてあった。

“モンスター配備センター”

「なんだ、これは」
「なんだ、って言われてもなぁ・・・」
「きっと、見たまんまじゃないのか。この中にモンスターが居るってコトだろ」
「そうは言ってもだな、蒔人。モンスターというのはピンからキリまでの強さがあって、」
「言うより入った方が早いんじゃねェのか」

前衛三人の問答に痺れを切らした翼が、ぴしゃりと言い放った。
まさに鶴の一声、パーティ内はシンと静まり返ってしまう。
嫌な空気になる前に、芳香が蒔人の背中をポンと叩いて、いつもの明るい声で促した。

「翼ちゃんの言うとーり! さぁ、早く入っちゃおうよ、ひょっとしたらお宝があるかも♪」
「さっすがシーフ、お調子者。金が掛かると意気込みが違うでやんの」
「もう、翼ったら」

きゃいきゃい騒ぐ芳香を見て、呆れたように鼻で笑う翼に、麗が苦笑した。
ややあって、魁が「んじゃ、行くかっ」と声を上げると同時に、一同は静寂に介し、武器を握り締める。
後衛の麗と翼の二人は、そのクラス柄、有効な近接攻撃が出来ない為、他の四人の陰で身構えた。
高位呪文を投げ掛けてくるメイジやプリースト、生命力を吸い取るアンデッド、
パーティ全員に致命的なダメージを与える“息吹(ブレス)”能力を持つモンスターや、
一瞬にして命を奪う“首斬術(クリティカルヒット)”のスキルを駆使するニンジャ達が蔓延る地下迷宮。
正確に呪文を唱え始められるようにしておかないと、この迷宮の中ではいつ全滅に繋がるとも限らない。

誰かの喉が、コクリと鳴った。

「おぉりゃッ!」

魁の足が、勢い良く扉を蹴り開けた。
と、ほんの一瞬の後、ヒカルの隣を、ひゅう、と疾風がすり抜けた。

「ぐあッ」

くぐもったヒカルの声がし、続いて、床と金属が激しくぶつかる音。
壁際に身を寄せていた麗の前に、弾き飛ばされたヒカルが、腕を押さえて仰臥していた。
傷を押さえた革製のグラブの隙間から、赤い鮮血が零れ落ちる。
すぐさま麗が駆け寄ろうとするが、ヒカルは手を翳してそれを制し、身を翻した。

「せッ、先生ッ」
「くッ、まさかハイニンジャが居たとは・・・」

ハイニンジャ・・・その名の通り、高いスキルを備えた暗殺のプロ。
毒を塗り込めた苦無を翳し、音も無く冒険者の首を攫っていく。
そんな危険なモンスターが、よもや地下4階という浅い下層に存在していたとは。
悔しげに口唇を噛むと、ヒカルは切り裂きの剣を持ち直し、敵に向かって地を蹴った。





一方、魁と蒔人は、己の剣を振り翳して正面の2つの影に斬り込んでいく。
真正面から飛び込む二人に向き合うそのシルエットは、レベル7ファイター。
青銅の鎧に身を包み、大仰なバトルアックスを抱え、胴ほどもある楯を構える戦士。
その楯で二人の冒険者の攻撃を受け流したレベル7ファイター達は、ぐるりと身体を回転させ、
つんのめるように身体を前に倒しながら、バトルアックスを振り下ろしてきた。

「うぉッ!?」
「わ、わッ、な、なんだってんだッ、コイツらッ」

ぶんぶんと振り回されるバトルアックスを紙一重で避けながら、魁と蒔人は驚愕を隠せない。

「なんでッ、こんな、強い奴ら、が、4階、なんか、にッ、居るんだ、よッ!?」
「知るかッ! おい、つば、さ、援護、を、頼むッ」

しゃがんだ蒔人の元居たところの空気が、鋭く斬り裂かれた。
黒髪が数本、ぱらりと宙に舞う。
言われたとおり、翼は援護の呪文の詠唱を始めた。

(ファイターか・・・ともすれば、攻撃呪文・・・、ッ!?)

丁度その時だった。
ロミルワの光がレベル7ファイター達の甲冑で乱反射し、一瞬、翼の眼に、彼らの後ろに蠢く影を映す。

(あれは・・・メイジとプリースト!)

「やべェ、兄貴、援護は諦めてくれ!」
「なんだって!?」
「厄介なヤツらが居るんだよッ! 悪ィけど、ファイター達は自分で何とかしてくれ!」
「何ィ!?!?」

言うや否や、翼は意識を集中させ、モンティノの呪文を唱え始めた。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/06−−−−−−−−−−

「ミームザンメ・ヌーン・ターイ・ヌーンザンメ (全ての音を死滅させ、鋼鉄の空気を以って詠唱を停止させよ)」

翼の口唇から放たれたモンティノの呪文は、レベル7ファイター達の合間をすり抜け、その後ろの陰を打った。
呪文が完全に効いたように見えたが、一人の陰だけ、その動きが止まっていない。
その陰は、厄介なことに、グループ系攻撃呪文を得手とする、レベル7メイジだった。

「チッ、しくったぜ・・・、麗姉!」

舌打ちをした翼は、自分より遥かに有効に僧侶系呪文を使いこなすことが出来る麗に呼びかける。
ヒカルの戦いをハラハラと見守るだけしかなかった彼女は、弟の鋭い声に、漸く意識を呼び戻した。
麗の頭の中に、閃光のように、沈黙の韻律の聖句が駆け抜ける。
それに合わせて、口の中で溜めたモンティノの呪文を解き放つ。

「ミームザンメ・ヌーン・ターイ・・・」

そこまで唱えた時だった。



     ごおぉうッ!!!



「くあッ」
「うわああぁッ!」
「きゃああぁッ!」

翼のモンティノを掻い潜ったレベル7メイジのラハリトの業火が、煽るようにパーティに押し寄せた。
前衛三人は足を踏ん張り、甘んじてその猛火を喰らう。
だが、後衛の三人は、爆風の勢いを殺すことが出来ず、揉みくちゃになって、岩の壁に叩きつけられる。
激しく全身を打ち付けられ、三人の意識が混濁する。
肢がフラつき、立とうとしても、すぐにがくりと膝をついてしまう。

「大丈夫かッ、みんなッ」

ハイニンジャの苦無をスレスレで躱し、剣を突き出して牽制しながら、ヒカルは叫んだ。
けれども、仲間を気遣っている場合ではない。
相手は、自分の首を狙う殺人マシン・・・一瞬の隙が命取りに為り兼ねない。
何処を見ている、と嘲笑うかの如く、ぎとぎとと鈍色に光る苦無が、ヒカルの首を掠める。

(―――熱い・・・。斬られたか)

首の側面に、生温く何かが伝う感覚。
流れた血の量は決して多くは無いが、それは、ヒカルの冷静な判断を欠くのには充分過ぎた。
大きく隙が出来たヒカルの鳩尾に、重い衝撃が叩き込まれる。

「が・・・、は・・・」

肺の空気が全て押し出され、ヒカルはとうとう前のめりに倒れ込んだ。
右腕を支えにして、やっとのことで上半身を起こした麗の眼に、うつ伏せに倒れるヒカルの姿が映り込む。

「・・・ひ、ヒカル先生ぇぇッ!!!」

絞り出された麗の絶叫が、アロケーション・センターの空気をびりびりと揺るがした。





烈風が正面から襲ってくる。
楯を翳して風を分散させるが、炎のダメージを軽減することは出来なかった。
鎧の隙間から入り込んだ熱風は、容赦無く直に身体を焦がす。
肌を侵食する火傷の痛みに、集中力も幾許か削り取られた。

「くあッ、か、魁ッ」
「兄ちゃん・・・コイツら、マジで強ェ・・・」

魁が敵の強さを憂いた刹那。

     ガインッ!!!

剣を杖代わりにして立つ彼の背中に、鉛のように重い一打が浴びせられた。
火花が迸り、視界が一瞬明るくなる。
途端、魁は床に叩き伏せられていた。



―――レベル7ファイターのバトルアックスが、魁の背中を力任せに殴打したのであった。



厚い鉄板で拵えられた丈夫(ますらお)の鎧のお蔭で、身体を断ち切られることは無かったが、
呪文直後の間の無い打撃は、ヴァイタリティの高さを自慢とするさすがの魁にも堪えたらしい。
這い蹲るしかない魁に、もう一度、口許を厭らしく歪めたファイターの一撃が振り下ろされる。

「させるかァ!!!」

     ズグッ。

ハッ、と声の方へ振り向いたレベル7ファイターの腹部の鎧の隙間に、長剣の等身が深々と入り込んでいた。



―――蒔人のドラゴンスレイヤーが、レベル7ファイターを一閃したのである。



青銅の兜の下から、ごぼり、と血泡が流れ落ちる。
どす黒く粘っこい血は、鎧を伝い、己の腹から溢れ出すそれと混じり合う。
蒔人が身と共に剣を引くと、レベル7ファイターはがちゃり、と頽れ、暫し痙攣した後、ぴくりとも動かなくなった。
すぐさま、蹌めく魁の身体を起こしてやり、二人の前衛は、もう一人のファイターへと向き合う。

「もう少しだ、頑張れ、魁」
「おうよ・・・こんなトコで、負けてたまるかっ」

実際、魁は、いつ倒れてもおかしくない状態だったが、兄の期待を背負う以上は、弱音を吐くわけにはいかない。
自分の精神を奮い立たせ、魁は下段に剣を構えた。

「俺が先に牽制する。隙を見て、一撃で決めろ」
「おっしゃ」

呟くように言うと同時に、蒔人はファイターに躍り掛かっていく。
澱む空気を斬り裂いて舞う剣と、それを躱して薙がれる戦斧。
様々に描かれる斬撃の軌跡を潜る。

     シュッ。

鋭く息を吐き出した魁は、敵の咽喉目掛けて、切っ先を突き出した。
ずぶ、と、肉が引き裂かれる手応え。
青銅の戦士の身体が一瞬にして硬直し、びくん、と震える。
握られていたバトルアックスが派手な音を立てて床に落ち、それに導かれるように、ファイターも身体を崩していった。

「よぉっしゃあ!」
「やったな!」

にっ、と笑う魁に、親指を立てる蒔人。
腕をガシィンと叩き合わせて、勝利の悦びを分かち合おうとした時である。

『・・・ひ、ヒカル先生ぇぇッ!!!』

背中から、血を吐くような絶叫が谺したのは。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/09−−−−−−−−−−

気を失うかと思うほどに、麗は甲高い悲鳴を上げていた。
屈強且つ聡明で、いつも笑顔を絶やさない冷静なロードが、蒼白の表情で突っ伏している。
麗には、その光景が信じられなかった。
それが、眼の背けようの無い現実であったとしても。

嘘だ。
これは夢だ。
悪い夢なら、早く醒めて欲しい・・・!!!

奥歯が震えて、ガチガチと音を立てる。
此方に振り向いた魁と蒔人、それに、麗と同じく壁に弾き飛ばされ、今やっと身体を起こした翼と芳香も、
全身を震わせる麗と、その前に倒れているヒカルを見て、何やら大声で叫んでいる。
しかし、完全にパニックに陥っている麗に、彼らの言葉が届く筈も無く。

     ひゅう、ひゅ、ひゅ、ひゅう。

混乱の中に居る麗の口から、不規則に漏れる呼吸音。
吸った筈の空気は、肺に届くことも無く、すぐさま吐き出される。
そんな状態で、周りに注意を巡らせることなど出来はしない。
真後ろから敵に攻撃されかけていても、彼女が気付くワケは無い。



―――そう、彼女に後ろに閃いた、ハイプリーストのフレイルの軌跡にさえ。



「麗ちゃん、危な・・・ッ」

芳香が叫んだ頃には、既に時遅しだった。
ガツッ、という鈍い音と共に、鮮やかに血霧が咲く。
刹那の後、ゆらり、と傾いでいく身体。

各々が、咽喉が裂かれんばかりの声を上げて、麗の名を呼んだ。
銀幕の一場面を思わせるかの如く、麗の身体は、動かないヒカルの身体に折り重なるようにして倒れていった。
彼女の額から溢れ、床に出来た血溜まりは、恒光に照らされててらてらと反射する。

「・・・・・・・・・ちぃ、姉・・・、ちぃ姉・・・うおおぉおおぉぉッッ!!!!!」

瞳の奥に怒りの炎を燃やした魁が、割れるような咆哮を上げた。
ロングソードを掲げて、力任せに地を蹴り、麗を襲ったハイプリーストに飛び掛かる。
全体重をかけて剣を振り下ろすが、スレスレのところで避けられ、魁の身体はつんのめってしまう。
ハイプリーストの髭だらけの口許がニイ、と卑屈に歪む。

「ベーアリフ・ダールイ・アリフラー・ミームアリフ (生命の流れよ、逆に広まり、熱き血潮を現させよ)」

ハイプリーストの口から放たれたのは、バディアルマの呪文。
その声と同時に、ばしゅう、と何かが勢い良く噴き出す音と、目の前に広がる赤い霧。
魁の身体に無数の傷が開き、其処から夥しい血が溢れ出していた。
急な失血に、魁はガツリと膝をつく。

バディアルマ・・・冒険者達が滅多に使うことの無い、第5レベルの僧侶系呪文である。
血流を一時的に活性化させ、強制的に身体に傷を作り、其処から血を噴き出させるという恐るべき効果を持つ。
通常、冒険者のパーティの僧侶は、回復呪文を唱える為、限られた魔力を温存している。
同じレベルの呪文に、大幅に体力を回復させることの出来る“ディアルマ”が存在する為、この呪文を使う者は少ない。
だが、相手は、この迷宮を支配する大魔導師・ワードナの手に拠って、恐怖心を削り取られた傀儡(レプリカント)である。
惜しげも無く攻撃呪文ばかり唱えてくるのは当然と言えよう。

「こんな・・・モン、ぜんっぜん・・・痛くねェよッ・・・!」

下卑た笑いを含ませるハイプリーストを上目で睨み付けながら、魁は歯を食い縛って立ち上がる。
鉄の匂いと赤い滴が、魁の身体を纏う。
否、それだけではなく、滾らせた深い情熱の火焔(ほむら)が、彼の総てを包んでいた。

「ちぃ姉と・・・ヒカル先生の方が・・・もっと、ずっと・・・痛かったんだぞォッ!!!」

バディアルマの一撃で殺したとばかり思っていた侍が向かってきたことに、ハイプリーストは身動ぎする。
何よりも重い剣圧がロングソードに宿り、空気を揺るがしながら、それはハイプリーストの胴に叩き込まれた。
ハイプリーストの身を守っているのは、戦士の甲冑ほどの強度も無い、鞣したレザーアーマーである。
鍛え上げられた腕から繰り出された斬撃は、革の鎧を斬り裂き、その下の身体に容易く届く。
憤怒を込めた魁の一打は、物の見事にハイプリーストの身体を破砕した。
己の血に塗れながら、邪教の僧侶は壁に弾き飛ばされて絶命する。

もう一人のハイプリーストは、忍者たる蒔人の手並みによって、魁の攻撃と時同じくして、首を刎ね飛ばされていた。
眼を見張るべきは、戦闘のスペシャリストの素早さである。

残る敵は、三人。
翼の放ったモンティノによって呪文を唱えることを封じられたレベル7メイジ二人と、
アロケーション・センター最大の敵とも呼べるハイニンジャである。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/12−−−−−−−−−−

モンティノを浴びて呪文が使えなくなったメイジ達は、闇雲に短刀を振り回してくる。
その動作は大振りで、何処かしらギクシャクしていて隙だらけである。
歴戦の戦士から見ると、地下1階層に出現するオークやコボルド達の方が、まだ歯応えがありそうだ。
だが、メイジ達は、前衛の蒔人や魁に向かっているのではなかった。



―――その刃先の狙いは、肉弾戦を得意としない後衛の一人、芳香であった。



ぶん、と空気を割り、短刀は芳香の胸目掛けて振り下ろされた。
まさか自分の方へ攻撃してくるとは思っていなかった芳香は、身構えてすらいない。
切っ先の光が、芳香の眼に焼き付く。

(間に合わない・・・ッ)

次に眼を開ける時には、その無情な短刀が己の胸に埋まっているだろう。
そんなことが頭を過ぎり、芳香はギュッと眼を瞑る。



「芳姉ェッッ!!!」



鈍い殴打音と共に聞こえたのは、仲間の男の叫び声。
続いて、何かがどさり、と床にぶつかる重い音。
いつまで経っても短刀が届くことが無いことに気付いた芳香が、恐る恐る瞼を開くと。

「ハァッ、ハァッ・・・大丈夫か、芳姉」
「・・・つ、翼ちゃん・・・・・・?」

床には、頭蓋を割られて息絶えている、ボロボロのローブを着たレベル7メイジ。
それを打ち倒したと思われる男−翼は、血に塗れたメイス(棍棒)を握り締め、肩で大きく息をしていた。
どうやら、芳香に短刀が刺さる間一髪のところで、翼の振り下ろしたメイスが間に合ったらしかった。
彼の右頬には、些かの返り血が飛んでいたが、芳香が無事なのを見て安心したのか、
翼はほう、と息を吐いて、ぎこちなく微笑んでみせた。

「良かった・・・怪我無いか」
「・・・えっ、う、うん」

言われて、こくりと頷いた時だった。
芳香は、翼の背後に、細い光が振りかぶられて煌めくのを見た。

「・・・・・・ッ、翼ちゃん、後ろッ!!!」
「ッ、ンなろォッ!!!」

芳香の表情が変わったのを見て、翼も異変に気が付いていたらしい。
振り向きざま、翼は大きくメイスを振るう。
それは、彼の背中に短刀を突き刺そうとしていた、もう一人のレベル7メイジの側頭部にヒットする。
頭を粉砕されたメイジは、メイスの一打の勢いで、そのまま壁に激突して動かなくなる。

「ハァッ、クソッ・・・呪文もロクに唱えられねェ魔法使いが、よってたかって肉弾戦かよ」

メイスに付いた血糊を払いながら、翼は軽く舌打ちをする。
けれども、今は悠長に息をついている暇は無いのだ。
一刻も早く、ヒカルと麗の傷を治療しないと、手遅れになり兼ねない。

手当てが遅れて二人が死(デッド)の状態になってしまえば、それは即ち、灰化(アッシズ)に繋がる。
死んだ者が灰になった状態で蘇生に成功すれば、再び肉体は蘇るが、蘇生に失敗すると、
その者の存在が、“この世”から完全に消えてしまう・・・つまり、肉体の消滅(ロスト)となる。
そうなってしまうと、その者の蘇生は二度と不可能になってしまうのだ。

・・・もはや、猶予は無かった。
顔を見合わせて頷くと、翼と芳香はそれぞれ武器を構える。





蒔人は満身創痍の魁を支え、頭巾の下で煌々と眼を光らせるハイニンジャと対峙する。
怪我人を抱えてハイニンジャと戦うのは不利だと直感した蒔人は、魁を翼と芳香の方へ押し遣った。
二人は、ゆらりと倒れ掛かってくる魁を慌てて受け止める。
視界の端でそれを見止めた蒔人は、改めてドラゴンスレイヤーを中段に構えた。

「もう・・・誰も傷つけさせん」

恐るべきキリングマシンを前にして、蒔人の瞳に決意の色が奔る。
ハイニンジャは、折り重なって倒れるヒカルと麗の後ろに立っている。
逆手に握られた苦無の刃先が、ギラリと邪悪な光を放つ。

―――咄、ハイニンジャの姿が、ふ、と掻き消えた。

蒔人は瞬時に息を殺し、全身のエネルギーをドラゴンスレイヤーに集中させた。

(何処から来る!?)

眼を瞑り、空気の流れを読む。
たん、たん、と僅かに聞こえる足音を頼りに、総ての神経を研ぎ澄ませる。
殺気が空を翔け、壁を這い、床を滑る。
蛇のように身体をくねらせ、ハイニンジャは、玄室を縦横無尽に疾け回っていた。
唐突に、その軌道が、くん、と曲がる。

(左!)

首を掠め取る兇器が、下方から蒔人に迫る。
身体を捻りながら、全身の体重をドラゴンスレイヤーに乗せ、伸びた影に向かって一気に振り払った。
どしゅっ、という鈍い手応えが剣に伝わる。
蒔人が眼を見開くと、自分に食い込んだ剣を驚愕の表情で見下ろすハイニンジャの姿があった。
ドラゴンスレイヤーは、布装束だけの身体を容易く斬り裂き、背中まで突き通されていた。
闇の傀儡の眼光、蒔人の視線と絡んだそれは、憎悪の炎となる。

が、それも一瞬だった。

蒔人が剣を引き抜くと、ハイニンジャの身体が絲の切れたマリオネットの如く頽れ落ちた。
床に倒れた傀儡が、完全に動かなくなったのを確かめると、蒔人はひゅう、と息を吐き出した。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/13−−−−−−−−−−

苦戦しながらも強大な敵を打ち倒した一行だが、安心している暇は無かった。
傷だらけの魁、首を切断されそうになったヒカル、そして、頭を割られた麗の治療を、
何よりも早く行わなければならないのだ。
翼は、蹌めく魁の肩を軽く叩いて、申し訳なさそうに眼を伏せながら言った。

「魁、悪ィけど、お前の治療は少し待ってくれ。今一番危ねェのは・・・麗姉だ」
「うん、分かってる」

実際、ラハリトの火焔、その直後にレベル7ファイターの一打という攻撃のラッシュを喰らい、
最後に、ハイプリーストのバディアルマによって全身の裂傷を余儀なくされた魁は、
今にも意識を失いそうなほどにフラフラになっていた。

だが、ヒカル、麗は共に、敵の攻撃を受けて意識を失った後、他のメンバーが戦闘を続けていた分、
その時間内のヴァイタリティの減少は、流していた血の相当量になっていると思われた。

魁はそれを承知している故、自分の身体がいくら痛もうとも、決して、いつものような我侭を言おうとはしなかった。
普段なら、何も考えずに敵に向かって突っ走り、後々、兄と姉に呆れられながらもフォローしてもらっていた末弟。
そんな優しい兄弟達に、心の何処かで甘えを持っていた彼は、彼らがことごとく傷つけられるのを見て、
自分の中で何かが変わっていくのを感じていた。
全身の痛みも手伝って、魁はきつく口唇を噛んだ。

(俺は、兄ちゃんや姉ちゃんの弟である前に・・・侍なんだ)





ヒカルの上に倒れている麗の身体を持ち上げ、彼の隣に横たえる。
麗の頭から溢れ出した血液の量は半端ではなく、彼女の顔は、まさに血の気が無く蒼白だ。
不意に翼の足が血溜まりを踏むと、びちゃり、と不快な音がする。
頭から流れる血のせいで、ギリ、と縺れて頬に絡み付く髪を手櫛で解いてやりながら、翼は袖で麗の顔を拭う。
その横で、芳香は翼の煤けたローブをギュッと握り締め、俯いている。
ふと、掠れた涙声が、翼に問いかける。

「ねぇ・・・翼ちゃん・・・、二人とも・・・、大丈夫、だよねぇ・・・?
 絶対、絶対・・・死なないよ、ねぇ・・・?」
「何言ってんだ、当たり前だろッ。死なせてたまるかよ」
「・・・・・・うん・・・ッ」
「死なせやしねェ・・・絶対に、だ」

まるで自分に言い聞かせるような、激しい口調だった。
声の調子が普段と違うことに、芳香は思わず翼の顔を見遣った。

一切の魔法学の心得が無い者が、一から呪文を会得するとなると、獲得しなければならない経験値は、
心得のある者の倍となり、ましてや翼は魔・僧両系呪文を習得するビショップである。
非呪文所有者(ノン・スペルユーザー)である戦士からビショップに転職した翼は、生半可ではない努力をしているのだが、
それでも、彼が習得した呪文は、今現在第5レベルまでに留まっている。
加えて、翼はつい最近になって、やっと僧侶系の第5レベルの呪文を憶えたのだから、
唱えられる呪文の回数は、多くて二・三回といったところだろう。

無駄に魔法力を消費できないという緊張感に縛られ、翼の手は小さく震えていた。
横顔も何処か蒼褪めていて、その不安の様子が見てとれる。
時折ふてぶてしい態度を取るが、常に自信に溢れている姿しか見せない翼。
芳香は、そんな彼の意外な一面に驚嘆する。
ローブの腕の部分を握っていた手を離し、芳香は、小刻みに揺れる翼の無骨な指にそっと触れる。

「翼ちゃんなら・・・大丈夫だよ。きっと、麗ちゃんと先生を助けられる・・・芳香は、そう信じてる」
「・・・・・・・・・・・・サンキュ」
「・・・芳香も一緒に・・・呪文、唱える。芳香に魔法力は無いんだけどね」
「芳姉・・・」

『にゃは』といつものように笑う芳香は、無理に微笑んでいるように見えた。
その笑みに、翼の中で、何かがずくん、と疼いた。
疼きの正体が何なのか、今は分析している余裕は無い。
芳香と重ね合わせた手に、翼は意識を集中させ、低く、聖句の韻律を唱える。

『ダールイ・アリフラー・ミームアリフ (熱き血潮の流れよ、全身に巡り渡れ)

二人の詠唱が、同時に終わった。
麗の頭の傷に添えた二人の掌から、淡い乳白色の光が漏れ始める。
それはやがて、優しく、麗の全身を包み込む。
血の気を失っていた青白い肌に、徐々に赤みが差してきて・・・

「ッ・・・・・・麗ちゃん、起きて・・・麗ちゃんッ・・・」
「麗姉・・・」



   ぴくり。



指先が僅かに動く。
ディアルマの光が、ゆっくりと薄れ、完全に消えると。

「・・・・・・・・・ぅうん・・・」

瞼が揺れる。
眉根が寄せられる。
薄く開かれた口唇から、深く、緩く、吐息が漏れる。

「・・・ぅ、あ・・・」
「麗ちゃんッ!!!」

うっすらと麗の眼が開かれたのと同じタイミングで、芳香は彼女の半身を抱き起こした。
未だまどろみの中に居る麗は、急に起こされて視界が変わり、きょとんとしている。

「ばっ、馬鹿ッ、芳姉、あんまり麗姉を揺らすなよッ!
 ディアルマにゃ増血作用があるけど、失血が酷かったから、そんなに揺らしちゃ・・・」
「麗ちゃんッ! 良かった、良かったよぉ・・・」
「あのな・・・人の話を聞けよ・・・」

麗は暫く呆けたような顔をしていたが、自分に頬擦りする姉の瞳に光るものがあるのを認めると、
ラハリトの炎で少し焼けてしまったその栗色の髪を、愛おしく撫ぜるのであった。
くるくると感情の変化を見せる芳香を見ながら翼は肩を竦ませると、安堵の表情を覗かせた。

 

 

 

−−−−−−−−−−2005/09/16−−−−−−−−−−

「麗姉、ヒカル先生を頼む。俺は、後先見ずに敵に突っ込むバカを治しに行かねーといけねェしな」

幾分顔色の良くなった風の麗の肩を叩き、翼は芳香と連れ立って、座り込む魁の方へと歩いていく。
魁は失血が酷いといっても、まだ意識のある分、ディアルマの効力が全身に行き渡り易い。
が、ヒカルは今、鳩尾に一撃を喰らって、急な酸欠を起こし、意識を失っている状態だ。
ここは、ディアルマより遥かに増血効果に優れ、どんな傷でもたちどころに治してしまうマディ(快癒)を使った方が、
より安全且つ確実に、ヒカルを癒すことが出来る、と翼は判断したのであった。

そして、そのマディとは、僧侶系第6レベルの呪文に相当する。
第5レベルの呪文を会得したばかりの翼には、マディを使うことは出来ない。
全ての僧侶系呪文を習得し、マスターレベルになった麗なら、第7レベルの呪文まで容易に使いこなすことが出来るのだ。
内心、師を己の手で癒すことが出来ない自分の無力さに口唇を噛んだが、
悔しがったところで、所詮自分はまだまだ未熟なビショップであるということは、翼自身が一番解していた。

翼の言葉に背中を押された麗は、ゆっくりとヒカルの隣にしゃがみ込む。
ヒカルの首筋から、未だ細い筋を描いて、鮮血が滴っている。
袖でその血を拭おうとしてヒカルの肌に触れた時、麗は息を呑んだ。

(・・・・・・冷たい・・・ッ、急がないと!)

鳩尾に打撃を喰らい、肺を押し潰されたヒカルのダメージは、思った以上に大きかったようだった。
栗色の髪は乱れ、床に張り付かんばかりに、重く垂れ下がっている。
白い肌も、いつもより蒼白で、急がなければ命を落としかねないということは明らかだった。

もし、ヒカルが目を醒まさなかったら。

マスターレベルの僧侶でありながらうろたえてばかりで、援護の呪文も唱えぬまま、
何も出来ない内に、ヒカルに大きな傷を負わせてしまった。
アロケーション・センターの扉を開け、ヒカルが腕を斬り裂かれた時、素早く回復呪文を唱えていれば。
こんな想いはせずに済んだかもしれないのに。
後悔と自責の念が、麗の中に澱むように渦巻いた。

麗はヒカルの傷を押さえ、目を閉じて、歌うような高音の韻律を口にした。
集中している為か、麗の項に、つつっ、と汗が流れ落ちる。

「ミームアリフ・ダールイ (生命を虐げる魔の力よ、神の名において退け)」

翼の唱えたディアルマより遥かに眩い、しかしながら優しさを孕むその光。
マディの呪文の効力が、ヒカルの身体を覆う。
どくん、どくん、と、麗が押さえた首筋に、熱い血潮が力強く流れる鼓動を感じる。
増血作用が、徐々にヒカルの肌の色を取り戻させていく。

   すう・・・っ。

淡い光が消えると同時に、ヒカルの胸が大きく上下した。
まだ押さえた手を離すことが出来ないまま、麗はハッ、と目を見開いて、ヒカルの顔を見遣った。
傷は治ったが、そのまま意識が混濁して、脳機能が停止してしまった、という話が、麗の頭を過ぎる。

「せん、せ・・・・・・」

声が、驚くほど震えていた。
怖いのだ・・・どうしようもなく。

いつも自分をからかっては、その名の通りの眩しい笑顔を浮かべていたヒカル。
だが、戦闘になれば、いつだって皆の前に躍り出て、パーティを護っていた奔放な君主。
様々な貌を見せるこの青年に、麗はいつしか、その心を翻弄されていた。
麗本人に、その自覚があるかどうかは分からないが。

そんな日常が、当たり前だと思っていたのに。
ヒカルが、自分の傍から居なくなることが、恐ろしくてたまらない。

「ヒカル、せん、せぇ・・・」

この人を、失いたくない。
いつの間にか、そう思いながら、麗はその名を紡いでいた。

(お願いです、神様・・・どうか、この人の生命を奪わないで・・・!!!)

願いはいつしか、目を瞑り、指を組んだ祈りの形となる。
万物の、全能の主たる神は、自分の望みを摘み取ってくれるのだろうか。
不安を胸に抱き、全身を硬くして、ひたすらに願いが届くのを乞う。



―――祈りを象ったその手を、暖かく包み込む何かがあった。



「・・・・・・っ」

瞼を持ち上げると、其処にあったのは、細い指、大きな手だった。
目線を運ぶと、その先に、望んだ姿があった。



「・・・・・・・・・・・・麗」



柔らかく微笑む太陽。
自分を明るく照らしてくれる、その存在が。

「ヒカル、先生・・・ッ」

今度は恐怖ではなく、安堵。
また、私の前でその笑顔を見せてくれたという安心感。
声が、涙で震える。

「マディを・・・唱えてくれたんだ」
「・・・・・・・・・せんせぇ・・・」
「僕の為に、祈ってくれていたの?」
「・・・せんせぇ・・・・・・ッ!」

心が震えて止まらない。
ちゃんと、ヒカルの顔を見て、“良かった”と言いたい筈なのに。
俯いて毀れるのは、揺れる呟きと、大粒の涙だけ。

そんな彼女の髪が、血に塗れて絡んでいるのを見止めると、ヒカルは奥歯を噛み締めた。

「麗も、傷をつけられたんだね」
「・・・えっ」
「すまない・・・もっと僕が強かったら・・・」

思い掛けないセリフに、麗は顔を上げる。

「そんなッ、ヒカル先生は、」

言葉は、そこで途切れた。
手を覆われた時とは比べ物にならない程の暖かさが、麗の身体を包んだ。
ぎゅ、と力を込めて、その小さな体躯を引き寄せて。
突然のことに、麗は成す術もなく、ただ、ヒカルに抱き締められている。





「おーおー、なーんかイイ感じになってるんじゃないのぉ、先生とちぃ姉」

翼にディアルマをかけてもらって、すっかり顔色を良くした魁が、
自分の目線の先でヒカルが麗を抱き締めているのを見て、腕をぐるぐる回しながらニヤついた。
末弟の調子の良さと気分の切り替わり具合に呆れながら、翼が鋭くツッコむ。

「お前なあ、さっきまで死にかけてたヤツが、野暮ったいこと言ってんじゃねェよ」
「やー、でも、魁ちゃんの言う通りだよー。麗ちゃんも、絶対ヒカル先生のコト好きな筈なのにねぇ・・・
 麗ちゃんってオクテで、案外素直じゃないトコあるから、仕方ないっていうのもあるんだけど・・・」

腕を組んで肩で溜息をつく翼の後ろで、芳香は頷きながら首を傾げる。
彼女は、ヒトの色恋沙汰には目がないのであった。
顎に手を当てて、暫く二人の様子を見ていたが、やがて、ふう、と息を吐き、呟いた。

「なんか焦れったいよねぇ・・・」

 

 

 

−−−−−−−−−−プレイ後記・後書−−−−−−−−−−

だらだらと長ったらしいプレイ日記に付き合って頂き、誠にありがとうございました(ぺこぺこり)
えっと、まとめてUPに当たって、修正や加筆した点が多々あります。狡いなぁ、私。

さぁーて、マジレンメンバーでやってるWizardry、遂に日記に侵食してしまいました。
ほんとバカですいません石は投げないdアイタタタ!(ぼかぼか)

ぶっちゃけ、Wizardryにおける戦闘なんて、慣れれば10秒もしない内に終わっちゃうんですけど(苦笑)、
私は根っからのWizardryフリークで、Wizファンの間では伝説の小説となっている、
ベニー松山氏執筆の「隣り合わせの灰と青春」を読んでから、「こんなリアルな戦闘が行われてるんだ・・・」と感動。
以来、バトルシーンは、こんな風にだらだらしたものになってしまいました(汗

それはともかくとしまして、初回プレイ日記は、B4Fで“ブルーリボン”を護っている敵との戦闘。
モンスター・アロケーション・センターでのワンシーンでございます。
バトルシーンの中に、いろんな要素を含ませてみましたが、
詰め込みすぎたせいで、取り留めの無いものになってしまって後悔も一入・・・
やっぱ、テキスト書くのって心底難しいっすね・・・痛感してます(涙

金青・黄青・黄桃・姉黄・赤青etc。
こんなにチンタラ書いてたら、無駄にCP要素が高くなってました(滝汗
基本的に、青い子が愛されてればなんでもいいです<おい
緑の子の出番が、思いの外少なくって、もうちょっと活躍させてあげても良かったかな、なんて・・・
み、緑青も好きよ! ほんとよ!<必死な子が居るよ

てか、青い子の態度、最初と最後で大分違う・・・な、なんで(泣<あんたの執筆能力が低いからです
なんだかんだ言って、青い子は金の人が好きなんです、きっとそうなんです<なにこの確信
あと、黄桃はあんな感じでも、ちゃんとお互いフォローし合ってる、ってのを出したかったんですけど、
如何なもんでしょう、ちゃんと表現出来てますか?<誰に聞いてるのあんた

(2005/09/17)

 

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